令和の大不況到来!

<令和の大不況到来!>

経済ニュースを見ているとコロナの影響で多くの企業が業績ダウンの決算発表ですね。
そんな発表もあっての株価の乱高下ぶりを見ると、行き場の無いお金が投資先を探してうろうろしているだけに見えます。

案の定、うろうろしているお金は益々「金」に集まっていますね。
金の価格は防衛投資と言われ、不況のバロメーターと言われています。
恐らくまだまだ「金」の価格は成長し続けるでしょう。
船井幸雄さんが生前言われていた「金価格は1万円」も視野に入って来ました。
このまま日本は金の価格上昇のバロメーターの通り「令和の大不況」に突入するのでしょうか?
このまま経済活動が回らなければそうなるでしょう。
もしそうなれば消費者は「生活防衛」に入り、益々消費は冷え込む事でしょう。
経営者は不況に備えた事業戦略の見直しの準備を始めなければいけません。

 

~令和不況には大衆不在となる~
この10年は金融緩和のもとに紙幣を刷りまくってインフレを加速させるアベノミクス政策で、企業の決算書は改善する事を果たしてきました。
これはそれなりの成果では無いかとは思います。
おかげで世の中は「安定」を手に入れたのですが、消費者には好景気を実感するほどのものではなかったようですが。

ただ、マーケティング的な見地からすると、今までの10年は少なからずとも「大衆」が 増えた景気安定の時代だったと言えます。
ですからビジネス的にも「大衆」をターゲットにしたビジネスが当たって来ました。
代表的なビジネスですと「いきなりステーキ」がそうです。
大衆はちょっと背伸びした大衆価格で高級感や今までにない次元の経験をするのが好きです。
ちょっと前の不景気な時代には500円がランチの予算だったのに、この10年来はランチに2000円のサーロインステーキをいきなりステーキで食べる光景が見られたのは景気が良かったからと言えるのでしょう。
しかし、不況に突入するとこのような大衆消費は姿を消すようになります。

 

~消費が二極化し「デフレ」と「大好き消費」が進む~
令和不況が始まると消費者は生活防衛に入り大衆は不在となります。
当然、ビジネスとしても大衆をターゲットに出来なくなりますね。
そして消費者が生活防衛に入ると「消費は二極化」します。
ちょっと長く生きていらっしゃる方なら20年ほど前の平成不況を生き抜いてきた方でしょう。
当然この「消費の二極化」も経験されたかと思います。

「消費の二極化」とは、日常の生活は切り詰めた生活をし、その反面、非日常の体験にはお金を使うと言う、メリハリの消費の仕方になると言う事です。
例えばお昼のランチのよな日常の消費の予算は1000円から500円以下に下がり、当然お父さんのお小遣いも下がり、週に2度の家族の外食を1度になり、買い物はデパートからディスカウントスーパーになり、洋服は専門店からメルカリで買うようになるのです。
デフレを代表するトピックの吉野屋、松屋すき家の牛丼戦争も記憶に新しいです。
とにかく消費者は日常的な出費を切り詰めるようになります。
ですから、この10年間は実は下火だったディスカウントスーパーや牛丼チェーンにもう一度人の足が向くようになるのでしょう。
そうです、実は「消費の二極化」とは「デフレ」が進むと言う事でもあるのです。

「消費の二極化」で消費者は日常の節約をする反面、消費者は非日常の体験にはお金を惜しまず使います。
非日常の体験とは簡単に言うと「大好きな物事」のことです。
三度のご飯を一度に切り詰めても大好きなディズニーランドには行きたいですし、大好きなアニメキャラの限定グッズはどんなに高価でも買いたいのです。
私の関わっている和装の世界などはコアなファンを沢山持っています。
家賃や食費を切り詰めても大好きな着物を買う方をよく見かけます。
人は好きなものは簡単にはやめられないのです。
令和不況になり「消費の二極化」が進むと言う事は、益々「大好き消費」は進むと言う事でもあるのですね。
ですから「大好きにさせる」マーケティングがこれからはビジネスの課題となる事でしょう。

 

~ゼロ円戦略(ロスリーダー戦略)の復活~
僕は20年前から写真館のコンサルティングをしていますが、子供写真が栄えたのは不況とデフレ真っ只中の時期でした。
ですから不況期とデフレ期のビジネスを知るにはこの写真業界の歴史を見ると分かりやすいかもしれません。

写真館と言うビジネスの歴史は、30年前は町の写真館が撮影料を3万円程度を取って、それとは別に写真代金をいただくと言う料金体系でした。
当時の街の写真館は今の写真館の様に衣装もありませんしヘアメイクをしてくれませんから、自前で貸衣装店や呉服屋で衣装を揃え、自前で美容室に行き、それなりのいでたちで写真館に出向き写真を撮ってもらいました。
写真を撮ることは結構な出費だったのです。
20年ほど前から子供写真ブームが始まり、僕も写真館のコンサルティングが始まりました。
当時3万円だった撮影料は3000円にし、さらに撮影用の衣装代やヘアメイク代がその金額に込みにすると言うデフレぶりがウケて、一気に子供写真ブームが加速しました。
そして世の中のデフレが進むと3000円の撮影料が1000円となり、753円(七五三にかけて)となり、500円(ワンコイン)と競争の原理がごとくデフレが進みました。
価格競争が行きつくところまで行くと、最後には撮影料ゼロ円(無料)と言う切り札が出て来ました。

実は不況期だった15年ほど前、世の中は何でもかんでもゼロ円(無料)だった時期があります。
ゼロ円結婚式、ゼロ円(無料)カフェなど。
それらはゼロ円(無料)商品やゼロ円(無料)サービスをフックに集客をかけ、収益商品や収益サービスを売ると言うビジネスモデルで、大ヒットしました。
好景気には決して人はなびかない無料のサービスも、不況期になると無料に対する人の抵抗感がなくなる様子が見えた時代でした。

もし本当に令和不況が起こりデフレが進むならば、思い切った無料商品や無料サービスをフックにする事が事業者として生き残るためには必要となる時期が来ます。
奇しくもネット通販の世界でも送料無料が勝敗の切り札となっていますね。
ただし簡単ではないのが、無料にした商品やサービスのコストをカバーする新たな収益商品や収益サービスで稼げるビジネスを編み出して行かなければならなくなるのです。
令和不況が進むと、「無料」にする事が生きるか淘汰されるかのを決める戦略の切り札となるのです。

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