女性が欲しいものは「わざわざ」と「愛情」

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
最近、「100年企業研究家」と言う肩書で取材やインタビューを受ける事が多くなりました。
和装などの100年以上続く伝統産業のコンサルをしている事からお声がけをいただいているのでしょう。
コロナで企業存続が危ぶまれているので、そんな需要があるのかと思います。
 
しかしそれと同時に私の研究テーマは「女性マーケット」でもあります。
今日は久しぶりに「女性マーケット」について書いてみたいと思います。
 
そもそも「女性」は何が欲しいのか?
マーケッターとしては永遠の研究テーマです。
特に私たち男性目線では、女性の消費の仕方は明らかに男性とは違い興味深いものなのです。
 
今、誰もが分かっているのが
①男性は理性で買い物する
②そして女性は感情で買い物する
と言う事かと思います。
 
1.美容室の選び方
例えば男性が髪を切る場合は、圧倒的多数がいつもの周期でいつもの料金でいつもの髪形にしてくれる美容室を選びます。
理性的であり合理的なのですよね。
しかし女性の場合はそういう方もいるかもしれませんが、多くはそうでは無いようです。
気分によって美容室も髪形も変えるのですね。
ですから男性と違い女性はホットペッパービューティのようなクーポンサイトを利用されて、今日の気分に合う美容室をあちこち探す人が多いのでしょう。
また、人気の美容室は必ずと言ってよいほど、髪を切る前のカウンセリングに時間をかけます。
間違っても「いつものですね?」とは女性には聞きません。
女性は自分の気分に「わざわざ」時間をかけて耳を傾けて、一生懸命その気分に合わせる努力をしてくれる「愛情」を感じる美容室を探しているようです。
 
2.買い物の仕方
男性の買い物の仕方は至って理性的で合理的です。
今必要なものを、今すぐに手に入れる。
と言う考え方かと思います。
ですからコンビニやネット通販など、便利性を追求したお店の利用客は圧倒的に男性が多いと言うのも頷けます。
 
しかし女性の買い物の仕方は男性から見たら至って非合理的に見えます。
女性の買い物の仕方でよく例えられるのが、
「近くのスーパーで200円の玉子が売られていても、他のお店のチラシで100円の玉子が売られていると200円の交通費をかけてでも買いに行く」と言うお話しです。
まさにこれは女性心理です。
男性からすると、結局交通費と合わせたら300円になるんだからかえって高くつくよね。近くで買った方が安いよね。と言うところに目が行きますが、女性はそうは考えていないのです。
 
この例えの場合、女性は安い100円の玉子が欲しいわけでは無いのです。
事実その玉子には、「わざわざ」移動時間をかけて、「わざわざ」交通費までかけて、「わざわざ」遠方まで出かけていると言う手間暇とコストがかかっています。
しかしそれ以上に家計を助けたいと言う主婦の「愛情」がその100円の玉子に乗っかっていると考えた方が良いでしょう。
要するに、100円の玉子は実をいうと時間と交通費と愛情が乗っかった10,000円以上のプライスレスな価値のあるありがたい玉子なんだと言う事なのです。
まあ、男性には永遠に理解が出来ないかもしれませんが(笑)
 
3.呉服店や宝飾店のお買い物
女性のお買い物は男性と比べてとても豪快だなと思わされる瞬間があります。
呉服や宝飾の展示会にはグルメ品を集客のフックに使う事が良くあります。
例えば食パンなどをよく使います。
女性はこの食パンに誘われて100万円以上のきものや宝飾などを買うのです。
男性には信じられないとは思いますが事実です(笑)
この集客のフックに使う食パン選びにも女性心理を理解したコツがあります。
それは、近くの美味しいパンより、「わざわざ」遠方からお取り寄せした大しておいしくないパンの方が集客効果があると言う事です。
女性が欲しいものは「美味しい」ではなく、「わざわざ」なのがわかります。
そして自分の為に「わざわざ」手間暇と時間をかけて取り寄せ居てくれると言う「愛情」にこたえるように、展示会に足を運びますし、高価なお買い物されているようです。
 
女性消費者のハートをつかむキーワードは「わざわざ」と「愛情」です。
美容室のメニュー開発や、商品の売り方すべてにおいて、「わざわざ」と「愛情」がこもっている事がヒットのコツと言えます。
 
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