残存者メリット

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
「残存者メリット」と言うマーケティング用語があります。
残存者メリットとは、一つの産業が誕生⇛成長⇛成熟⇛衰退と進み、市場が縮小して行き多くの事業者が淘汰されて、最後に生き残った事業者がライバルがいなくなり、残った市場でロングテイルの利益を享受する事です。
現に成熟した日本経済では衰退した産業がたくさんあり、残存者メリットを享受している企業が静かに各地で元気にやっています。
衰退産業は衰退が一定の市場規模で衰退が止まり、残存したプレイヤーが競争相手の無い環境で、価格競争やシェア競争も無いブルーオーシャンのビジネスを行っていると言えます。
 
その衰退産業の生き残りプレイヤーの特徴は以下の三つです。
①熱烈な信者客に支えられていると言いう事。
②お客様のneedsを提供するだけでなく、自己実現などのwantsを提供している事。
③信者客が求める商品やサービスは何でも提供するので多角化している事。
これらがあげられます。
 
例えば身近なケースでは八百屋さんです。
八百屋さんの市場はすっかりスーパーマーケットに凌駕されてしまい衰退してしまいました。
しかし、その八百屋さんもオーガニック専門店にその業態を変えて熱烈な信者客に支えられて元気よくやっている八百屋さんを最近見かけます。
①オーガニック信者客に支えられていると言う事。
②オーガニックと言うお客様のwantsを提供する事。
そして
③野菜以外のオーガニック商材なら何でも扱っている事。
こんな風に衰退産業も残存者はたくましくがっちり儲けています。
 
私が関わっている呉服店や宝飾店なども衰退産業ですね。
しかし、地域ごとに強いプレイヤーが生き残って残存者メリットを享受されています。
①きれになりたいと言う願望を持つ熱烈な信者客に支えられている事。
②着物や宝石と言うモノを売っているのではなく、きれいになると言う自己実現wantsまで責任をもって売っている事。
③お客様の自己実現のためには着物や宝飾以外の物やサービスは積極的に何でも扱っている事。
 
これら衰退産業の残存者の勝ち方は野菜も着物も宝飾もマーケティングの世界ではほぼ一緒と言う事がユニークですね。
 
ここでもう一つ分かるのは、産業の衰退はneeds消費の衰退であると言う事。
そしてその産業のwants消費は決して衰退はしないと言う事。
ロングテイルビジネスは時代の変化に応じたneedsの見極めと、時代の変化に振り回されないwantsの見極めと言えるのですね。
 
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