ファンマーケティング(好きのマーケティング)

いつも読んでいただきありがとうございます。

 
「着物ファンはどうやって増やすのか?」
そんな質問がお客様から来たので少し書きたいと思います。
 
<ファンマーケティング(好きのマーケティング)>
私たちがビジネスで扱う商品やサービスをこんな風に2種類に分ける事が出来ます。
①必要だから買う商品(ニーズマーケティング
②好きだから買う商品(ファンマーケティング
 
<ニーズマーケティング
車や住宅や医療などの必需品は一般的に①の「必要だから買う商品」と言えます。
もともとニーズがある商品ですので、ターゲットを明確にしてそのターゲットが求める専門性をとがらせ、広告などで認知度を高める。
たったそれだけでシンプルに商売はうまく行くのです。
 
<ファンマーケティング(好きのマーケティング)>
しかし、②の「好きだから買う商品」はそうはいきません。
着物やジュエリー、ブランド品、スポーツカー、などの嗜好性のある商品や、お目当てのトップスタイリストやエステティシャンの高級な美容サービスなどを始めとする付加価値の高いサービスなどはこれに該当します。
それらの商品やサービスはお客様が必要(ニーズ)に迫られて買っている訳ではありませんので、ターゲットも専門性もつかみどころがないのです。
 
お客様は「何となく好きだから」「ファンだから」と言う動機で買い求めているだけなのです。
お客様はどうやったら好きになってくれるのか?
もしそれを仕組みにする事が出来れば、先の質問の「どうやったら着物ファンを増やすことが出来るのか?」の答えになるのではと思います。
 
<人が何かを好きになるには?>
「人が何かを好きになるには理由などない」と言う言葉を聞いたことがあります。
しかし、それでは身もふたもない。
そこにルールを見つけるのがコンサルタントの仕事なのです(笑)
 
人が何かを好きになるには3つのステップがあるかと思います。
 
①興味を持つきっかけがあった
②体験する時間があり共感した
③共感を共有できる仲間が出来た
このような手順で人は何かを「好き」になって行くのですね。
 
例えば「アイドルを好きになる」なんてのも
SNSなどでアイドルに興味を持つきっかけがあった
②アイドルのライブを体験して共感した
SNSで話が弾んで共感できる仲間が出来た
まあ、こんな風にアイドルを好きになるのでしょう。
 
今回のテーマの「着物を好きになる」の答えもこの手順と同じなような気がします。
 
①着物に興味を持つきっかけがあった
②着物を体験する時間があり、いいなと思った(共感した)
③着物の話しが出来る仲間が出来た
こんな風に着物は好きになるのでしょう。
 
着物業界でこの「ファンマーケティング(好きのマーケティング)」を上手にビジネス化できている事例があります。
 
<観光和装で着物ファンマーケティング
最近コロナが落ち着き、京都や東京の浅草では着物姿の観光客が増えました。
SNS上で京都や浅草の映えるスポットで着物姿で写真を撮る事も一つの流行となっています。
SNSにより着物に興味を持ち、自分も京都で着物をレンタルして着てみたいと言う女性は本当に増えました。
インスタグラムをきっかけに着物を知り、観光地で手軽に着物を体験する時間が生まれ、その様子をインスタグラムで仲間と共感を共有する。
ファンマーケティングの流れが出来ています。
 
<写真スタジオで着物ファンマーケティング
子供の七五三や成人式の振袖、そして和装での婚礼など、写真業界では和装がブームと言えます。
このサービスにより、多くの人が着物に袖を通す機会が増えました。
人生の節目と言うきっかけがあり、レンタルして気軽に和装体験が出来る事は、未来の着物ファンを創る有効なファンマーケティングだと思います
 
<着付け教室でファンマーケティング
ビジネスとして着物ファンマーケティングに成功している「日本和装」と言う会社があります。
日本和装では無料の着付け教室を展開して、着物初心者向けに着物の体験を全国に展開しています。
体験を通じて着物好きを創り、着物の販売に上手に結び付けている企業です。
物の購入から入るのではなく、「体験」から着物との出会いが始まると言うコンセプトがお客様に認められた成果かと思います。
 
着物は「体験」から入り、「共感」で広がります。
着物の体験のチャンスを業界ぐるみで作り、社員とお客様とが共感でつながる事が出来たらもう一度着物市場は成長する気がします。
 
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