人が辞めない経営(2)

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
前回から「人が辞めない経営」について書いています。
 
前回のコラムで取り上げましたパプアニューギニア海産の事例をご覧になっていかがでしたでしょうか?
要点をまとめました。
 
パプアニューギニア海産の人が辞めない取り組み>
①「遅刻欠勤の連絡禁止」
この企業では遅刻や欠勤のための連絡は禁止されているそうです。
要するに無断で欠勤したり無断で遅刻したりすることを認めているそうです。
働き手の主力が主婦のこの職場では、子供などの都合で遅刻したり休んだりすることの遠慮のストレスを第一の退職リスクと考えたようです。
働き手が時給制のパートさんですので、怠けると言う目的で休んだり遅刻したりする人は無いそうです。
 
②「自分の嫌いな作業をする事禁止」
この企業では自分の不得意な作業はあえてやらなくて良いと認めているそうです。
そもそもイヤイヤやらされる作業が作業効率を落ちますし、イヤイヤやっても楽しくないから退職リスクにもなります。
意外にも得意なことは個々違っていて、好きな作業を自由に選ばせても作業には支障が無いそうです。
 
③「スタッフ同士が仲良くなること禁止」
スタッフ個々の作業ペースが乱れないよう、あえてスタッフ同士のチームワークなどは取らないことを認めているそうです。
組織の中には全体最適のための「忖度」があるもので、勤務や作業の押し付け合いがあるものです。
仲良くなるとそれを断れなくなると言う事が退職のリスクを招いているそうです。
「組織が一丸となって!」と言う考えよりも、個々が「自分の生活のペースを乱さないように!」と言う考え方の方が人が辞めないそうです。
 
この企業では、これらの方針を打ち出してから3年間退職者がゼロになったそうです。
 
これをご覧になった多くの経営者は
「現実はそうはいかなんじゃないか?」
「製造業だからできるんじゃない?」
「相手が人の接客業では無理じゃない?」
「事業規模が小さいからできるんじゃない?」
「生産性が落ちるんじゃない?」
「そもそも会社が成り立っていかないんじゃない?」
そんな風に考えるのが普通だと思います。
当の私自身も私がコンサルを担当する業種には当てはまらない理由を、つい考えながら見てしまいました。
 
確かにこの職場の働き手の主力は時給制の主婦パートですし、相手がエビの製造業ですから、これがそのまま皆様の事業に当てはまる事は無いかと思います。
しかし、時流を見るとあながち違わない部分も多いなと考える方が経営者としては健全なのかと思います。
 
働き方の自由度をもっともっと上げる事へのチャレンジをして行かないといけないのです。
 
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