wants消費

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
昨日は美容ビジネスの研究会でした。
美容関連の経営者が集まるこの集まりは、船井総研側がたくさんの準備をして経営者に情報提供しますが、同時に沢山の学びを参加いただいた会員企業様のお話しからもいただく事が出来ます。
情報のるつぼとはこのことですね。
 
今回この会の中で、久しぶりに少しだけマーケティングのお話しをしましたのでここでまとめておきたいと思います。
 
<needs消費とwants消費>
ビジネスはneeds(ニーズ)=お客様の必要性を満たすことが要と言われています。
その通りだと思います。
確かに消費とは必要なものや必要なサービスなどがあって、それを満たす画期的に便利なアイディアが仕組みとなってビジネスモデルの形になります。
例えば、従来は八百屋や魚屋で晩御飯に必要な野菜や魚を買い物をしていたのが、それらを一カ所で買える画期的なスーパーマーケットが誕生し、家の近所に必要なものが何でもそろう便利なコンビニエンスストアが誕生しました。
needsのマーケティングは必要なものをより便利に提供する事の追求と言う事になりますね。
 
しかし、世の中の消費はneedsだけで回っているのではありません。
消費の形にはneedsの次の段階にあたるwants(ウオンツ)と言う消費があります。
needsが理性的な欲求の消費なのに対して、wantsは感情的な欲求であり、これでなければならないと心から求めている状態と言ったらよいでしょう。
wants消費は「こだわり」と言ったら分かりやすいでしょう。
ちなみに私は船井総研の中で唯一「wants消費」の研究をしているコンサルタントと言えます。
 
例えば、自動車は移動のための手段だから、タイヤが4本ついていて、ドアが4枚あって、荷物が積めて、手ごろな価格の物ならなんでもいい。
これがneeds消費の考え方かと思います。
となると、近年まで車は選びやすい単一車種の専門店化が進み、買いやすいプライス設定などが売りな自動車販売店が好調でした。
そしてneedsの「必要なものをより便利に」と言う考え方からすると、これからの消費者は車を持たずに利用したい時だけに利用すると言う、カーシェアや無人モビリティなどのビジネスに変化して行く変化が読めます。
と言う事は当然needsを追求するとこれから車は売れなくなると言うことになるでしょう。
しかし、コロナ禍の今、話題になっているのがスーパーカーと言われる高級スポーツカーがバカ売れしていたり、旧車と呼ばれる日本の古い車が高値で取引されていたりと、本来の移動手段とは別の車の消費が加速しているようです。
若いころあこがれていた遠かった存在のスーパーカーが大人になって手がに入れられるかもしれない!
そしてコロナ禍の今、これと言った大きなお金の使い道が無く、それなら思い切って昔から欲しかったものを買っちゃおう。
そんなwants消費が自動車販売のマーケットで進んでいるようなのです。
 
当然needs消費化は私が直接コンサルティングしているファッションの世界やビューティの世界でも起きています。
現在のファッション業界は消費者のneeds消費化をつかんだファストファッションの一強と言えます。
ビューティの業界も必要なサービスを便利にと言うneeds消費が確実に進み、サロンのコンビニエント化が進んでいます。
しかし水面下では意外にも着物やジュエリーのようなwants消費の代表選手のようなアイテムがが売れていたり、お客様の悩みを解決する客単価3万円の髪質改善専門サロンが繁盛していたりと、私の目で見える限りではwants消費は活況です。
それらのwants消費を支える事業者の経営者は崇高な理念を持ち、本気で消費者の人生を楽しく豊かなものにしようと考えているので、そんな経営者のもとにwantsを求める熱烈なお客様が集まっているように見えるのです。
 
ビジネスをする上で明らかにneeds消費の市場に優位性がありビッグマーケットです。
しかし、私は人生を心から楽しく豊かにするwants消費の市場はビジネスをしていて面白くて好きです。
これからもwants消費の研究をして、人の人生を楽しく豊かにする力になって行きたいなと考えています。
 
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