きもの専門店の業績の明暗を分けるもの(2)

いつも読んでいただきありがとうございます。

 
4月16日(火)に顧問をさせていただいています「全国きものスタイリスト協会」主催の「きものスタイリスト全国大会」に招かれて講演をさせて頂きました。
その際に行われた全国トップの「きものスタイリスト」のスピーチを聴いて、きもの事業の業績の明暗を分けるものが分かりましたので、3回に渡って書いています。
 
<2.好きだから買う時代への変化>
受賞者である「神セブン」の方々の受賞コメントから感じるのは、現代のきものは消費者が「必要性」で買っているのではなく、純粋にきものが「好きだから」買っていると言う流れに変化した事が分かります。
 
実は長年衰退の一途のきもの市場でしたが、4年ほど前から少しずつきものが売れ始めており、きもの市場はV字回復しているのです。
特にきものにはヒット商品があったわけでもないですし、新しいきものの着用習慣が生まれたわけでもありません。
きものが売れ始めた背景は純粋にきものを「趣味」として楽しむ方がゆっくりと増えているからと思われます。
 
特にその市場の成長を支えているのは、きものでちょっとした「お出かけ」や「集まり」と言うきものの楽しみ方の静かなブームのようです。
今までのきもの業界の商売の姿勢は「売って終わり」と言うものでした。
確かに一昔前のお客様は「コレクター」も多かったので、美術的価値のあるきものを所有する価値に満足を感じていた方も多かったのでそれでもよかったのかもしれません。
 
ただ、今のきものファンは所有するだけでは満足はしません。
きものを着て出かけて写真を撮ったりしながら、非日常体験をする「体験価値」を楽しむことがメインになっているのです。
ですから受賞された「神セブン」のきものスタイリスト達は口を揃えてお客様に純粋にきものを楽しんでいただく応援やサポートに力を入れているとお話しされていたのが印象的でした。
 
このように純粋にきものが好きで楽しむと言う目的できものが売れ始めている変化をキャッチしている事業者が業績が良く、逆に未だにきものに「習慣」や「民族衣装」などの旧態依然とした「必要性」を当てはめようとして変化出来ない事業者が業績が悪い事が分かります。
 
きもの専門店の業績の明暗を分けるもの(3)に続く