アパレルの行方2

 

前回の続き。アパレルの行方について書きたいと思います。

本日のニュースで、アパレルディスカウンターしまむらのニュースがありました。

https://toyokeizai.net/articles/-/306640

減収増益の決算だったそうです。

 

前回はアパレルブランドの帝王のオンワードの業績不振による閉店。
今回は、経営テクニックで減収は避けられたものの、出店と売り上げが比例しない悪循環である事は変わりない状況であることが露呈された形です。

とにかく価格にこだわって地方の格安の地代の郊外に出店すると言うビジネスモデルで伸ばしてきたしまむら
よくユニクロと対比されますが、ユニクロの様にSPAではありません。
基本、仕入れて売る「小売業」です。
3年ほど前にプライベートブランドに着手しヒットがありましたが、安く仕入れて安く売る「小売業」と言う業態である事には変わりありません。

しまむらに今、何が起きているのか?

 

しまむらの悪循環>
①地方都市の格安の賃料で営業できるアパレルディスカウンターとして急成長

②在庫量や売り場面積に業績が比例していた良い時代。IR上の成長戦略を描くため、大量出店した。

③しかし次第にオーバーストアが始まる

④売上が横ばいになり、1店舗当たりの売り上げが落ち始める

⑤それと共に収益が落ち始める。増収減益の症状。

⑥IR上の収益確保の為に在庫を減らし、決算書上は増収増益をなんとか見せかける

⑦商品が陳腐化して客離れが始まる

⑧場当たり的にユニクロの商品開発のまねごとを始めるが、SPAではないので、仕入れ先の開発力がついてこない

⑨客離れがさらに進む

⑩IR上の体裁を作るために今回の減収増益の決算となる。しかし、根本的には増収増益にするための解決策はない状態。

 

ちなみに僕の家内はしまむらの愛好者(しまらー?)です。
その家内の肌感覚でも「最近は買う物が無いなあ」と言う声を聴きます。
ただ、もっと深刻なのは「最近のしまむらはワクワクしないなあ」と言う言葉かもしれません。
家内はしまむらに、「安いから行く」と言う動機もありますが、「楽しいから行く」と言う動機も強く持っているのです。

今のしまむらが忘れてしまっているのは、この「楽しさ」と言う価値なのでしょう。

 

アパレル業界全体が「良いものを安く提供する」そんな昭和的なミッション感に未だ縛られています。
経営陣がこんな古びた価値観を捨てられない限り、ファッションが日本で復活することはあり得ないのでしょう。

 

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