有事の際の強者の戦略と弱者の戦略

 
 
日々、コンサルタントとして新型コロナウイルスに悩まされ、それが故に新しい発想や、新しいビジネスの可能性が広がっています。
また、僕の知っている多くの経営者はリスクに対して強い経営を志すようになり、経営者の顔も引き締まって見えるのは気のせいでしょうか。
 
ネガティブな事象も、実は全ては必要必然。
船井幸雄的には新型コロナウイルスに感謝ですかね。
  
僕のお客様は100%家業や中小企業です。地域密着型で、その地域に限定したビジネスを信条としています。しかしビジネスの世界では「弱者」と言えますね。
それに対して事業規模が100億円を超える中堅や1000億円を超える大手企業は日本全国や世界を市場として、とにかく拡大を信条としています。いわゆるビジネスの世界では「強者」と言えます。
 
 一般的に言われていますが、強者には強者のビジネス戦略があり、弱者には弱者のそれぞれのビジネス戦略があります。
今回の新型コロナウイルスと言う有事の際も、強者の戦略と弱者の戦略があるなと強く感じます。今回の過熱し過ぎともいえる報道を経営者は冷静な目で見て、戦略を見極めなければいけないです。
 
 その際の判断で一番気を付けなければいけないのが、ニュースで報道される情報の解釈の仕方です。
報道の情報の源の多くは日本全土や全世界に影響を及ぼす中堅大手企業の情報です。
その情報を地方の家業中小の弱小企業経営者がそのまま額面通り鵜呑みにして受け取ると言う事がとても怖い事だと思います。
  
例えば「自粛」と言う報道ひとつとっても、企業体力のある強者である大手が「自粛する」と報道された際に、企業体力のない弱者の家業中小が右ならえで「自粛」と言う判断は出来るはずもありません。
もし、家業中小の経営者が真に受けてしまえば自粛3か月以内で会社は吹き飛んでしまうに違いないでしょう。
薄っぺらい正義感だけで「自粛」を良い事だ。そうでないものは悪である。
そんな風に決めつける風評が今の日本の怖さにあります。
  
従業員1000人を超える中堅以上の企業は、一人一人の健康状態を完全管理する事はとても難しいですし、1会場で1000人を超える大型のイベントのお客様の衛生管理を徹底する事もとても難しい事です。これらの事情は「自粛」やむなしと戦略的には判断する事でしょう。
 
しかし、従業員30名までの家業中小の企業ならば、従業員一人一人の健康を把握する事は比較的簡単な事ですし、その事業規模のお客様の数の衛生管理を徹底する事もさほど難しい事ではありません。自粛する必要など全くないのです。
 
強者である中堅大手の新型コロナウイルスの際の戦略は拡散リスクを最小限に抑えるために自粛と言う道を選ぶべきです。
しかし弱者である家業中小の新型コロナウイルスの際の戦略は衛生面に最大限に気を配り、前向きに、そして「したたか」に営業し続けると言う道を選ぶべきなのです。
 

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