第三者効果(2)

~第三者効果(2)~

 

前回に引き続き第三者効果について書きます。

 

情報化社会が進むと人は情報を優先するようになり、逆に、どんどん自分自身の判断を優先しなくなります。
特にインターネット社会の現代は、自分の直感よりインターネットを通じた第三者の意見の方が納得できて正しいと思う人が間違いなく増えています。

これを「第三者効果」と言います。

 

<ネット通販も第三者効果>
僕自身も最近はめっきりとネット通販ヘビーユーザーになりました。
あの便利さはやめられませんね(笑)
僕がネット通販で買う時の決め手は何と言っても「レビュー」などの第三者意見です。
最近のネット通販は飛躍的に製品の価格比較がしやすいので今はそこで悩む事はほぼありません。
それよりも、きちんとした商品であるか?購入後の不具合などないか?きちんとした取り扱い業者であるか?などの購入後の後悔が無いかどうかがやはり心配なのです。

そして僕の購入の決め手はレビューの中に「おススメ」があるかどうかです。
実際に購入されて利用された方が「使ってみて良かった」「こういう方にはおススメします」と書かれているものは、つい納得してポチってしまいます。
現代人のお買い物の決め手は第三者の意見だと言う事が自分自身も実感できる瞬間なのです。

 

<きものや宝飾などの高級品販売>
現在のきものや宝飾などの高級品の販売現場でも「第三者効果」を使っています。
デパートなど高級品売り場の接客はお客様と販売員の一対一で行うのが普通です。
しかし、田崎流のやり方ですと少し違っています。
最近ではなかなか一対一の対面販売では物が売れないので、田崎流では第三者効果を利用する接客に進化しているのです。
私たちはこれをSSチーム販売と言っています。

「SS」のSはセールス(メーカー・商品の専門家)であり、もう一つのSはスタイリスト(お店のスタッフ・利用者側の専門家)のチーム体制で販売業務を行います。
最近のきものや宝飾品の催しには必ずメーカーが販売応援に入ります。
その際に、基本的に商品を売り込む販売の役割はメーカーになります。
メーカーは商品の専門家として商品説明をしてもらうのですが、テレビショッピングの例でも書きましたが、今は売り手が汗をかきながら一生懸命に商品のスペックの良さを説明をすれば売れると言う時代ではありません。
そこで私たちの取り組みは、お店のスタッフにあえてメーカーとお客様の販売の輪の中で第三者の消費者の立ち位置に立ってもらうのです。
そしてメーカーが説明する商品を、お店のスタッフは「売り手目線」ではなく「利用者目線」でお客様に対してレビュー(評価)をするのです。
それは例えば「実際に商品を利用して良かった話し」とか、「納品後のお手入れのしやすさ」とか、「周辺アイテムとの組み合わせのしやすさ」であったりとかの話題になります。
ただし、お店のスタッフは事前に商品の研修を受けて商品のクオリティの良さを確認済みですので良いレビュー(評価)をする事が一般的で、評論家気取りで悪いレビュー(評価)をする事はまずありません。
その点はお店のスタッフはプロとして自覚がありますし、お客様に納得してお買い物いただく事を目的とした役割を担った仕事と分かっての役割です。
そして最も欠かせないのが、お店のスタッフは商談の最後には「これは良いから買ったほうがいい!ゼッタイおススメ!」と太鼓判を押して「おススメ」してあげる事により、お客様の背中を押してあげることです。
高級品のお買い物はとても勇気がいるものです。
ですからこのような第三者の「おススメ」がとても欠かせないのです。

 

最後に。

お店のスタッフ自身がお店が取り扱う高級な商品を購入して利用するレビュー(評価)をする事は実際難しい事です。

ですから、スタッフは普段から可能な限りのお客様の声やレビューをお客様やメーカーさんからたくさん集めて、それをお客様にお伝えできる準備をしておきましょう。

 

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