「催し」と「ターゲット専門店」

前回書いた「催しの力健在」のコラムはとても反響がありました。
「買い物が娯楽」と言うキーワードが刺さった方が多かったようです。
 
今、お店の店頭では物は売れません。ですから物販を生業とする小売業は大変厳しい状況に置かれています。店頭に並んでいる商品は大差なく、消費者の「欲しさ」を喚起する要素に掛けています。
 
これから始まる5G通信のような、商品に今までにないまったく新しい価値を創造しない限り、人は商品を「欲しい!」とは思ってくれないのです。
 
しかし、それは成熟した日本市場ではそうそう頻繁に新しい価値の商品などが誕生するものではないのが実際です。
 
そこで「催しの力健在」で書きたかったのが、「催し」が消費者にとっての「欲しさ」を創出するささやかではありますが新しい価値になるかもしれないと言う事でした。
 
 
何度も書いていますが、店頭では物は売れていません。
ですから以前に比べて明らかに船井総研に出店の相談案件は少なくなっています。
しかし、それでも僕の周辺には前向きな経営者が多く、まだまだ出店に商機を見出そうとされている方も多いです。
 
その方は出店しながらも客を待つだけでなく、「ターゲット」と「催し」に特化し、「買い物の娯楽性」を追求すると言う新しい価値を創ろうとされている方々です。
まるで商業施設版のディズニーランドを作るかのように。
 
 
店頭で物が売れないからと言っても、それが故の今ならではの出店のメリットが実はいくつかあります。
新しい価値創造が出来る経営者にとってそれは商機の何物でもありません。
 
1.家賃が安いと言うメリット
物が売れないと言う事は商業施設のデベロッパーは弱気です。家賃はとても安いです。固定家賃無し。歩合家賃だけでもいいと言うところも多いです。家賃のコスト圧縮のためにはいい時代です。
 
2.多様な取り扱い品目が可能
通常、取扱品目はバッティングを規制されてあらかじめ決められているものですが、その規制もゆるくなっています。取扱品目の自由度が高いので、「商品をくくりにした専門店」では無く、客層をくくりにした多様な品ぞろえの「ターゲット専門店」がやりやすいです。
 
3.柔軟な営業スタイルと営業時間
出店する上での最大のネックは人でしょう。長い営業時間に対応する頭数が必要となりますが、現在は定休日を設けられたり営業時間を独自で決められたりと、営業時間は柔軟になっています。また、外会場での催事開催への理解があったりと、営業スタイルも柔軟に理解をしていただけます。
 
 
物が売れていた時代は家主主導、そして商品主導でしたが、物が売れない今の時代は、借り手主導であり、そして客層主導です。これを理解した時代に合った営業法を編み出せば、一人勝ちも夢ではないかなと思います。
 

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