3月の市況

 

3月のコンサル先様の数字が集まって来ました。

新型コロナウイルスの影響で、世の中の動向は「人が密閉空間に密着と密集して集まる」と言うようなエンタメや式典や外食や製造などのビジネスは大きな打撃を受けています。全般的には良くないですよね。
しかし逆に「巣ごもりニーズ」があったようですし、「個別対応」や「デジタル」や「オートメーション」を進めていた事業者にとってはコロナウイルスが有利に働いたように見られます。

正直、僕のコンサル先様からはどんなネガティブな結果が出てくるか少し心配しましたが、実際の報告は意外にも良い内容にびっくりしています。

 

1.3月は意外にも「振袖」が好調
3月の支援先様の振袖は好調でした。
その理由は3つ上げられます。

①自粛
大手振袖チェーンが販促物の送付や展示会を自粛したり営業時間を短縮してくれたことにより、客の流れが来てくれたようです。

②1店舗で決める
通常振袖はいろいろなお店を見て回って比較して決めます。ですから通常は保留される事が多いです。
しかしこの3月の振袖の決定率は高かったです。
比較の為に他のお店を回るのはコロナ感染リスクがあり、最初の1か所で決めてしまうからと思われます。
また、1店舗で決めるので地域の1番店に客が集中すると言う傾向もみられました。

③巣ごもり
お嬢さんの在宅率が高いコロナの影響でアルバイトも旅行も自粛され、学生の在宅率は高いです。
そのおかげでお母さまは娘さんを振袖選びに誘い出しやすかったと言えます。
また、学校の始業が4月下旬に先送りになるところが多く、振袖の受注チャンスは4月中にも続く事が予想されます。
4月も振袖は攻めるべきです。

 

2.3月はマネジメント次第で「イベント」も好調
さすがに多くのお店は店頭来店もイベント来店も30%ほど落ちているようです。
しかしコンサル先様では売上高は昨年並みに維持しているところが多いです。
これは客数ダウンを予測した以下の3つのマネジメントが効いていたからでしょう。

①上得意客をマークするCRM(顧客管理)
イベントを行う際の集客を無作為に誘うのではなく、上得意客をマークしながら誘っています。
和装などの嗜好性の高い商品の業界では、売り上げの70%は10%の上得意様で作られると言われています。
このような有事の際にこそお客様の数ではなく、質を高めた集客のマネジメントが出来るCRMが整備されているかが営業の決め手になります。
ちなみにこのCRMを支援先様では「トラタヌシート」としてアナログですが仕組み化されています。

②情報共有のマネジメント
上得意様を接客する際には、売り手はお客様の事を十二分に理解していなければなりません。
ですからマークされた上得意様の顧客情報が売り手を始めとする現場スタッフに的確に共有されるかどうかが売り上げを決めています。
支援先様では「エスコートシート」と言う情報共有カードで仕組み化されています。
また、上得意客は高度な商品提案を求められますので、売り手を専任化したり、専門家にアウトソーシングしたりしながら販売体制を一層強いものにしています。
支援先様では「SS販売」として仕組み化が進んでいます。

③意識と行動のマネジメント
今回の有事の最大の敵は「風評被害」と言えるかもしれません。
一人の発症が会社全体の風評信用に影響を与えかねないのです。
「個々の判断に任せる」では社員は責任を負いきれないので、積極的な行動を躊躇します。
ですから会社としてもし「通常営業」と判断するなら、会社責任で明確なGOサインを出してあげなければならないです。
また、このような有事には何よりも人の心が折れてしまう事が最大のリスクです。
今こそトップが対策を明言し、進むのか?待つのか?トップ責任で明確に決めてあげなければいけません。
日本の企業の多くはトップが「進もう、大丈夫!」と言えば、社員は前を向きますし、社員が前を向けばお客様も前を向くのです。
現に僕の支援先様では万全な衛生面を備えて明確なGOサインを出したところが多く、3月はおかげさまで数字を伸ばしました。
万全な衛生体制を取ったおかげか、ラッキーにも発症者も報告されていません。
事態が徐々に収束し、4月も衛生面に最大の配慮を払って通常営業していただけたらなと思います。

 

3.写真館は比較的影響が少ない
写真館の営業を見ていると、コロナウイルスの影響が比較的少ないように見えます。

①式典の自粛
この3月4月と卒業式や入学式が自粛になっています。
さらに結婚式も軒並み自粛されキャンセルが出ています。
しかしそのおかげで、お式が無いのなら写真だけでも残そうと言う機運が高まっているようです。
支援先様の写真館は入学卒業写真や婚礼写真の需要が伸びています。

②個別対応
お客様はコロナの感染リスクを避ける行動は意識しているようです。
移動はリスクの高い公共交通機関を避けて車での移動を選んでいます。
また、感染リスクの高い商業施設よりも近郊のロードサイドのお店を選ぶようです。
繁盛店より少人数できちんと個別対応してくれるお店に人気が集まっているようです。

③ロケーション撮影が人気
密室の感染リスクが高いと言う過剰なまでの報道も相まってか、ロケーション撮影のニーズが高まっています。また、スタジオ内でも衛生面の安全性をきちんと開示しているところが人気が高いようです。

 

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