呉服店や宝飾店が今年大切にしたいたった3つのこと(3)最終回

いつも読んでいただいてありがとうございます。
前回に引き続き、私が関わる呉服店や宝飾店の今年大切にしたいたった3つのことをまとめたいと思います。
今回は最後の3つめです。
 
3.とにかく楽しさを追求する
以前、「買い物は娯楽」と言うコラムを書きました。
 
これからの呉服店や宝飾店のお店は「楽しさ」の競争が始まるのです。
 
①お店の存在価値を見直す
 
インターネットで必要なものはなんでも翌日に届く時代です。
「お店」は商品を販売すると言う目的だけでは、その存在価値はなくなってきています。
ですから「お店」に新しい価値を付加して行かなければいけません。
その新しい価値のひとつが「楽しさ」です。
 
②人が楽しく感じるカギは「共感」
 
では具体的にお店に楽しさを付加するとは何をする事でしょうか?
そのカギとなるのが「共感」です。
一般的には人が楽しく感じる瞬間は何かを体験したときと言われます。
映画を観たりテーマパークへ行ったりなど、その体験自体の瞬間がもたらす娯楽はたくさんあります。
しかし体験の瞬間の楽しさを追求するのが男性なのに対して、女性の楽しさの感じ方は男性のそれとは少し違っています。
女性の楽しさの感じ方は、映画を観たりテーマパークで乗り物に乗っている瞬間より、その前や後に一緒に行った仲間とおしゃべりして「共感」する瞬間の方こそが楽しく感じるようです。
 
③スタッフの「共感」が最大の販促になる
呉服や宝飾などの、生活に必要がない高額な商品はもともと必要性で売れているわけではありません。
呉服や宝飾の消費者はただ「好き」と言う動機で購入されているのです。
その「好き」と言う価値観を「共感」してくれる仲間がいるから呉服や宝飾は楽しいのですよね。
ですから船井総研のお付き合い先企業様では、お店のスタッフがお客様に対して徹底的に「共感役」に徹する事を推奨しています。
 
旧来のお店でのスタッフとお客の関係は「売る人」と「買う人」でした。
その関係は観方を変えると「敵と味方」とも言えます。
しかし今好調なお店では、スタッフとお客様の関係は売り手と買い手(敵と味方)で、接客の際にお客様と真正面に向き合って接していません。
そうではなく、お客様の隣に寄り添って共に催しや商品を楽しむ仲間として接客します。
私たちはその役割を「販売員」とは呼ばず「スタイリスト」と呼んでいます。
お客は100個の巧みな「販売員」のセールストークより、1個の共感できる仲間と言える「スタイリスト」のお勧めの方が高額な商品の購入の決め手となっているのです。
売れているお店はそれがよく分かっているようです。
 

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