心をこめると言う事(2)

いつも読んでいただいてありがとうございます。

「心をこめる」と言う事を前回と今回の2回シリーズで書いています。
 
「心こめる事は必要ないの?」
では本当にビジネスでは「心をこめる」と言う価値がなくなっていくのでしょうか?
いや、私は逆に「心をこめる」価値が益々高まると感じています。
 
ここで「心が」こもっている言葉(心と言う字が入っている言葉)をリストアップしてみたいと思います。
 
相手を心配する
相手を想う
相手に寄り添う
相手を安心させる
相手を慶ぶ(お祝いする)
 
心をこめる字には相手との距離が近く、相手と「たくさんの時間を共有する」と言う事だと分かります。
 
「要領よく」ということが、「時間をかけない」と言う意味に対して、「心をこめる」とは、「たくさんの時間をかける」と言う意味になるようです。
 
ですから「心をこめる」とは、時間の共有をたくさんするほどに「相手が大切である」ということの表現なのだと思います。
 
要領よくやることが進むこの時代に、逆に相手のために「わざわざ時間をかける」と言う事は、一見ナンセンスにも思えると思います。
 
しかし、逆だからこそそこに希少性の価値があると言えるのかと思います。
 
メールで済ませられるものをわざわざ時間をかけて手書きのお礼状を書くこと。
グーグルやYouTubeで調べればすぐわかることをわざわざ時間をかけて教えたりすること。
機械を使えば効率よく作れる商品や効率よくできるサービスをわざわざ手作りしたり手作業したりすること。
セルフでお買い物できる時代に、わざわざ手間暇かけて顧客のために事前に商品を吟味する。
格安に短時間でヘアカットできる時代に、わざわざ事前のカウンセリングに時間をかけて手間暇かけたカットをする。
この時間をかける「わざわざ」が心をこめるということになるのでしょう。
 
当然お客の中には、そんな「わざわざ」はいらないから「早くしてよ」とか「安くしてよ」とか。
そんな風に言う「心無い客層」が圧倒的に多いのは事実でしょう。
しかし、「わざわざ」を嬉しいと思える「心のある」客層もいるのです。
相手のわざわざにお金を使いたいと思える「心」と「お金」にゆとりのある客層です。
そしてその客層は同時に、とても自分自身の価値を理解していて自分自身を大切にしたいと強く思っている客層だと思います。
 
そのような人はさほどに多くは無いかもしれませんが確実にこれからの市場に存在し続ける客層です。
それも強い存在感をもって。
 
そんな客層を顧客に多く持つのが呉服や宝飾や美容などです。
これらの事業者は、たとえ事業でIT化やデジタル化を進めたとしても、この「わざわざ」を一層大切にしなければならないでしょう。
 
選ばれる店の条件の切り札がこのような「心をこめたわざわざ」が企業風土にあるかどうかです。
これは未来永劫変わらない気がします。

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