「美」のビジネスはエンターテイメントだ!(2)

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
前回の続きとなります。
 
前回、呉服やジュエリーをはじめとした流通小売業の繁盛の秘訣は「娯楽性(エンターテイメント)」と書きました。
 
さあこの流通小売業で起きている「娯楽性(エンターテイメント)」の商流は美容事業などのサービス業には関係ないことなのでしょうか?
インターネット通販で髪を切ったり染めたり出来ないわけですから、関係のない話なのでしょうか?
私はそうは思いません。
 
美容の市場はコモディティ化(同質化)が進んでいますから、差別化が劇的に加速しています。
今後、若い層を対象にしているサロンは「より高度な技術をよりリーズナブルに」と言う専門店化が進むことでしょう。
しかし35歳を過ぎた美意識の高い客層はそうではないようです。
その客層が求めるのが「より高度な技術を最高の気分で」のようです。
 
たとえ消費者から「より高度な技術を最高の気分で」を求められたとしても、恐らく多くのサロンは「より高度な技術」には自信があるはずです。
しかし逆を言うと、どのサロンも「技術」に自信があるわけがですから、その「技術」もコモディティ化している現在は実は「技術」はあまり大差ないとも言えます。
では残された大きな違いは「最高の気分」と言えます。
 
当然多くのサロンでは「最高の気分」を演出するために店舗や設備にお金をかけたり、アロマをたいたりBGMをかけたりと演出にもこだわっていることでしょう。
しかし、それも既にどこでもやっている事かと思います。
既に勘のいい方はお察しかと思いますが、「気分」のいいサロンにするために最後に残されたのはスタイリストやアシスタントの接客しかないのです。
 
流通小売業ではスタッフの接客に「娯楽性(エンターテイメント)」を求められると前回書きましたが、美容などのサービス業でも同じような気がします。
 
なにより今のお客様が欲しいのは「共感」です。
そのために今以上にお客様のカウンセリングの質を高める必要があるでしょう。
お客様にとって自分の話を聞いてくれて、スタイリストがそれに共感してくれるその時間こそがお客様にとって最高の娯楽(エンターテイメント)なのかと思います。
当然、そのお客様から聴き取った「念願」を高度なヘアワーク技術で実現してあげる事が、最終的には娯楽を超えた感動のエンターテイメントになるのです。
 
しかし現場の声を聴くと、カウンセリングを強化するにも大前提として解決しなければならない大きな課題が現場にはあるようです。
それは今から活躍する若いスタッフの多くが「人の話を聴くのがとても苦手」と言う事です。
自分の興味あるものしか関心を持たなくても良いインターネットネイティブの弊害ともいえるのでしょうか。
若い人はどんどん人の話を聴く事が出来なくなっています。
今後、船井総研では若手の傾聴力を高め、カウンセリング力を高められる教育スキームを作り、より高い娯楽性(エンターテイメント)のあるサロンづくりに応援したいと考えます。
 
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