「どう売るか?」そしてその次は「誰が売るか?」

いつも読んでいただきありがとうございます。

 
3回に渡り美容業界のマーケティングについて書いてきました。
美容市場は大きな流れとして同質化(コモディティ化が始まるために「差別化」が必要になり、そのためにターゲットごとに細かく見せ方や売り方などの「どう売るか?」を工夫する販促に力を入れる必要が出て来た。
そんな話題でした。
 
<一歩進んでいる和装や宝飾ビジネスのライフサイクル>
しかし、ビジネスにはそれぞれの業種ごとにライフサイクルがあります。
私が関わるもう一つの業界の和装や宝飾のライフサイクルは美容室の業界より一歩先を進んでいます。
和装や宝飾の業界はちょうどこの30年ほどが「何を売るか?」から「どう売るか?」の競争だったのです。
 
しかし、和装や宝飾業界では「どう売るか?」の競争もそろそろ終止符が打たれるムードを感じています。
和装や宝飾の業界は「どう売るか?」よりも「誰が売るか?」が売り上げを左右するライフサイクルに突入しているようなのです
 
お客様は
①商品に付く客
②店に付く客
③そして人に付く客
の3つのステージがあると言われています。
 
お客様との最初の出会いのきっかけは目的の商品やサービスの購入から始まり「顧客」となります。
そしてお店に通ってくれる「なじみ客」になります。
そして最終的には自分の事をよく理解してくれているお店のスタッフやメーカー販売員を目当てにお店を訪ねる「上得意様」になって行きます。
和装や宝飾は現在この「誰が売るか?」にこだわりを持つ「上得意様」のような熱烈なファンに支えられている市場なのです。
事実、呉服や宝飾業界では催事における商品企画で一番売り上げが取れるのが、この「誰が売るか?」が明確な企画となっています。
 
<美容も「誰が売るか?」の業態が始まる>
実は最近美容室に船井総研が提案させていただいているハイキャリアサロン」と言うヘアサロン業態があります。
この業態は「上得意様」が美容室から離れて行かないよう、ベテランスタイリストがマンツーマン対応でサービスを行う新しい業態です。
この業態は既に美容室の「どう売るか?」から「誰が売るか?」のライフサイクルの未来を見据えた業態と言えるかもしれません。
 
InstagramなどのSNSが一般化した今、スタッフ一人一人の「個」の打ち出しは有効な戦略です。
このお店は「誰が売るのか?」を明確に打ち出す方が、よりお客様の購買心理は高まります。
美容の業界は当面は「どう売るか?」で業績アップをする事が出来ますが、意外に早く「誰が売るか?」の時流も始まるのでしょうね。
 
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