人が辞めて行く(3)

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
前回同様、美容室の話題を書いています。
今回は「人が辞めて行く」の3回目です。
 
今の美容室の最大の課題は退職者が急増している事かと思います。
美容室のような労働集約型のビジネスは、シンプルにスタッフの数と売り上げや利益が直結しますから美容のコンサルとしてこの現象をとても心配しています。
 
人が辞める理由の三つ目です。
3.「止まらないベテランの退職」
コロナ禍により以前よりまして顕著に増えているのがベテラン美容師の退職です。
年齢層で言うと35歳以上という働き盛りのベテラン世代でしょうか。
 
この世代の退職理由は大きく3つでしょうか。
一つ目は特に男性美容師に多いのですが所得の理由でしょう。
20代の独身までは美容師と言うステイタスの仕事をやりがい優先でやってこれましたが、30歳を過ぎても美容師は所得はなかなか上がらない仕事です。
コロナ禍を機にさらに増えている業務委託サロンへ、待遇のいい条件につられて流れて行く傾向があります。
 
二つ目の理由はキャリアの理由です。
30歳を過ぎて組織に求められるのが「後進の育成」や「マネジメント」です。
しかし、何のトレーニングも受けてこなかった美容師がいきなりそれらの業務担当になってもとまどうばかりのようです。
多くの美容師は30歳を超えても美容師として安心して業務を続けられることを希望されるのが大半なのです。
 
三つめの理由はジェネレーションギャップです。
徒弟性が当たり前だった時代は若手にとってベテランは「師」でしたが、現在の体系的に技術を身に着ける時代ではその関係性は崩壊しています。
そして現場ではスキルの高いベテランが効率よく優先的にお客様を取って行くので、若手の育成が遅れると言う不都合なことが起きてしまいます。
また、現場では若いスタッフと若いお客様のサロンの元気な雰囲気にベテラン美容師の居場所がなくなっていると言うこともあります。
若手とベテランが同じサロンで働きにくくなっている時代のようです。
 
これらの課題解決のために、船井総研のご支援では「ハイキャリアサロン」と言うサロン業態を推奨しています。
「ハイキャリアサロン」とは一言で言うと、「ベテラン美容師専門のワンオペサロン」です。
30歳を超えたスキルも売り上げも高いカリスマ美容師は、美容業務だけに集中して、自分がやった分だけ稼げる環境を求めているようです。
 
つづく
次回は4回目「自分探し退職です」
 
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