収益のためでないビジネスがあってもいい(2)

いつも読んでいただいてありがとうございます。

 
美容室や呉服店や宝飾店のご支援の現場で最近感じる事を書きます
 
前回は美容室が取り組む採用と育成を目的としたドライヘッドスパについて書きました。
今回はもうひとつの事例として呉服店の事例をあげたいと思います
 
<事例2:呉服店が取り組む、新規客創りを目的としたまつ毛とまゆ毛の美容サロン>
呉服店の悩みはお客様がいないことです。
しかし女性にアンケートを取ると多くの女性が「着物に興味がある」「着るチャンスがあったら着物は欲しい」と答えてくれます。
女性にとってきものは日常から縁遠いものではありますが、何かのきっかけがあれば始めてみたい。
着物に対してそんな風にポジティブに考えている方が多いと言う事がアンケートによって分かります。
 
そこで今呉服店で取り組み始めているのが、まつ毛とまゆ毛の美容サービスです。(一般的にはアイサロンと呼ばれています)
このサービスを受ける客層は40歳前後で呉服店が欲しい客層ととても近いからです。
お客様不足に苦しむ呉服の事業者様がこのビジネスを始められて一番驚かれるのが、この美容サービスはもともとニーズがありますから、お店側が何の集客アクションを起こさなくてもお客様が勝手に来店されることです。
それもこのサービスはほぼ毎月繰り返し受けるサービスですので、どんどん再来店のお得意様が積みあがって行くのです。
そしてこの呉服店では、仲良くなったお得意様に対して呉服の催しや着付け教室の案内を行う事で、着物に触れるチャンスを作っているのです。
 
ところでこのサービスの1店舗当たりの収益は呉服店にとってはそれほど魅力があるとは決して言いがたいです。(1店舗当たりの営業利益額は年間500万円程度)
ですからこの店舗の営業目的は新しい客創りをするためのコストがかからない「広告の場」や「販促の場」と割り切ったビジネスと考える方が良いのでしょう。
 
<ロスリーダー戦略>
15年ほど前、私が作った言葉に「ロスリーダー戦略」と言う言葉があります。
品ぞろえをする際に、それほど粗利はないが集客になる「集客商品」と、集客にはならないが粗利は高い「収益商品」とにメリハリをつけた品ぞろえをする事です。
まあ「損して得取れ!」と言った方が分かりやすいでしょうか。
さほど儲からないが、人材確保や新規客獲得にメリットがある「損して得取れ!」の店舗展開の在り方は、今後まだまだバージョンアップして行く気がします。
 
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