写真の価格は「撮影時間」の体験価値で決まる

いつも読んでいただきありがとうございます。

 
今年に入ってから「体験価値」について書き続けています。
コンサル先の経営者の多くはこのコラムの熱心な読者でもあるので打ち合わせの中でも「体験価値」の質問が出ます。
先日も写真館での打ち合わせで話題に出たのですが、写真館にとっての「体験価値」について質問されました。
 
当然のように写真の価値は写真自体の完成度だと思います。
プロのカメラマンに撮影してもらったアルバムに製本された写真は一生の宝物として大切に保管され、その「所有価値」はある意味揺るがないのかと思います。
ですから当然写真館経営者は一生懸命写真の技術を磨く事を大切にしています。
 
しかしこの20年来の写真館業界の大きな動きは、子供写真館で始まった衣装や美容などが一元サービスされると言う、より消費者が写真館を簡単に利用しやすくする流れでした。
そして次第に出来上がった写真よりも、衣装や美容などの写真館を利用しやすくするサービスの良し悪しがお客様にとってはお店を決める大切な要素となったのです。
写真館もこの20年は「利用価値」の時代だったと言えます。
 
そしてこれから10年は「利用価値」+「体験価値」の時代が来るでしょう。
写真館にとっての「体験価値」とは「撮影時間」のことです。
この「撮影時間」の品質がお客様にとってお店を決める要素になる事でしょう。
なぜならインターネット上の写真館のレビュー(感想)を調査すると、現在は7割以上のレビューの内容が「撮影時間」に対するものなのです。
写真館を褒めるレビューは「楽しくモデル気分で撮影できた」というコメントですし、逆にお叱りの言葉は何かの理由があったのでしょう、「お支度や撮影で気分が悪い思いをした」と言うコメントなのです。
お客様にとっては写真館に出向くのは記念写真を撮りたいと言う目的と同時に、生まれて初めての「撮影体験」でもあるわけです。
特に女性は「モデル願望」は少なくともあるでしょうから、この撮影体験の時間に対して強い思い入れを持つ人は多いものです。
女性は自分が「一流モデル」のごとく扱われ、この「撮影体験」が感動に値するものか、残念なものになるかとても重要なことなのです。
それが例え「子供」であろうとも。
ですから今後は「撮影体験」をより価値の高いものにして行く事が写真館の勝ち方になるのでしょう。
写真の価格は「撮影時間」の体験価値で決まるのかもしれません。