美味しさより非日常体験が欲しい

いつも読んでいただきありがとうございます。

 
いつもロジックな話が多いのですが、実は本当は街を歩いて感じた雑記のような書き物の方が性に合っています。
 
先日京都駅の中の店を見て歩きました。
まあ京都に住んでいるので京都駅は利用するのですが、まじまじとお店などを見て歩く事はそんなにはしませんので新鮮でした。
 
久しぶりにお店を見て歩くと人の流れは圧倒的に飲食店の方に足が向いています。
その中でも特に繁盛していたのが意外なことに2軒ある「大衆居酒屋」でした。

同じ通りには天ぷらや串カツや海鮮丼などの美味しさを単品で追求した専門店があるのに、そこの客入り以上に何の変哲もない「大衆居酒屋」がにぎわっていたのです。
 
大衆居酒屋と言えば僕のようなおやじが行くところと相場は決まっています。
しかしお客様は20代の若者のカップが多いですね。
おやじの聖地のような大衆居酒屋のはずなのに、なぜか少し恥ずかしい気持ちでお店に入ってみました。
 
大衆居酒屋では僕は基本カウンターが好きです。
見ず知らずの隣の人にお話を聴くのが好きだからです。
カウンターに陣取ってとりあえずビールを頼みました。
メニューを見ると珍しいものは特になく、まあ僕がいつもよく行く大衆居酒屋と大差ありません。
 
早速カウンターの隣に座った若者二人組に声をかけました。
私「ここよく来るの?」
隣の客「いえ、初めてです」
私「いろいろ専門店が並んでいておいしそうなお店があるけど、なんでこの店なの?
隣の客「なんかムードが良さそうだったので」
私「ムードがいい?大衆居酒屋だから僕らおやじの聖地みたいな店だけどね(笑)」
隣の客「エモい?っていうか、なんか懐かしい感じがテーマパークっぽかったので」
もう一人の客「そうそう、店を選ぶ基準は見たり体験したり食べたことが無いメニューのお店を選びたいです」
私「美味しい物を食べに来てると言うより、普段は体験できないことを体験しに来てる感じ?」
隣の客「そうかもしれませんね(笑)」
 
まあ、プロの飲食店事業者はいまどき不味い物を出すお店は無いです。
お客様にも周知のことです。
ですからお客様の飲食店を選ぶ基準は美味しさの次の価値である「体験価値」に進んでいるのですね。
良い商品を提供しさえすればお客様は来る。
良いサービスを提供しさえすればお客様は来る。
その神話はもう昔の話のようです。
商品やサービスに「体験価値」を付加できないとお客様は離れて行くのですね。
大衆居酒屋から学んだマーケティングでした。
 
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