「T.S.C」ブランディングのルール

~「T.S.C」ブランディングのルール~

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。

私たちコンサルタントの大きな役割はルール化です。
ルール化とはビジネスの勝ちパターンを見つける事です。

僕の関わっている業界は斜陽産業が多く、昔の勝ちパターンが通用しないなかなかやっかいな業種が多いです。

 

しかし現在、お店や商品やサービスなどを「ブランディング」する事で、業績を上げて行く取り組みが進んでいます。
このブランディングにより新しい価値を創造して行く事で勝ち抜く事が今考えられる最善の勝ち方のようです。

 

ところで「ブランディング」とは何をする事なのでしょう?
有名になる事?老舗になる事?いい物づくりをする事?どれも手段としては正しいのですが、道のりが長かったり、ハードルが高かったりで、どうにも取り組みにくいと感じる方が多いのではないでしょうか。

 

そこで今回見つけたのは、誰でも簡単に具体的に取り組める「ブランディング」のルールです。
僕はそれを「T.S.C」と名付けました。
この「T.S.C」のルールは物販やサービス業などあらゆる業種で使えるブランディングによる業績アップのルールです。

 

T.S.Cとは
テーマ(Theme)→大義名分
ストーリー(Story)→物語
キャスト(Cast)→演者

これらの頭文字を取っています。

 

<現代の生食パンブームの事例>
例えば、現代の生食パンは美味しいだけで売れているのではないと僕は考えます。
ブランディングのうまさで売れていると言えます。
食パン専門のコンサルタントは食パン屋を開業するにあたり、「これ考えた人凄い」のように看板にテーマを持たせます。
そしてそのモノづくりのこだわり姿勢をストーリーにしてホームページや店内ポップに表示し見える化します。
スタッフは職人ではなくキャストとして、統一された衣装と動きでお店との一体感を醸し出します。
このようなブランディングがお客様の食パンに対する価値を上げ、「たかが食パン」を、話題の中心になるありがたい食べ物にするに至ったと考えます。

 

<現代の写真館の事例>
例えば僕のプロデュースさせていただいている写真館は今、このT.S.C型写真館にその業態を見直す事で業績を上げています。

1.写真スタジオにテーマを持つ
僕がプロデュースさせていただく写真スタジオには必ず一貫したテーマがあります。例えばこの写真スタジオは「17世紀の南フランスのとある片田舎にある、森の中の一件の魔法使いが住む家」みたいな感じです。
演劇で言う舞台をまず作る事がビジネスの価値を創造して行く上では重要なのです。

2.お客様にストーリー体験をしていただく
接遇の基本はテーマに沿ったストーリーをお客様に体験していただく事。例えばお客様は魔法使いに魔法を習いに来ると言うストーリーにして、撮影のスポットごとにお客様は一つずつ魔法を覚えて行くと言うものです。まあ、ハリーポッターのリスペクトですが(笑)

3.スタッフはキャストになる
写真業界ではスタッフは「クルー」でした。いわゆる黒子の役目なのです。しかし、このT.S.Cのシステムの上では、スタッフは「キャスト」=「出演者」になってもらわなければいけません。キャストはディズニーランドで言うあのキャストと理解していただくと早いでしょう。今までの写真の専門家としての役割プラス、サービスマンとしてのプライドで写真スタジオと言う舞台でキャストを演じてもらう。このスタッフの価値観変革は大きいです。

恐らく、この業態の磨き込みが進むと、写真館の中で今までにない新しいビジネスモデルが生まれてくるのかなとワクワクしています。

 

<現代のきもの専門店の事例>
現在、多くのきもの専門店が店頭だけではなく、イベントで業績を上げているのですが、その中でも僕がプロデュースさせていただくきもの専門店のイベントはこのT.S.Cのブランディング手法が徹底されています。

1.イベントにテーマを持つ
大島紬展」のように商品の名前を持つ催しはあまり人を集めていません。そうではなく「南の島のワクワク祭り」のような、テーマをタイトルにした催しがお客様を集めています。

2.販売にはストーリーが要る
何か面白そう!そんな動機で集まったお客様は明確な購買動機があってそこにいるわけではありません。
ですから、販売に至るまでには販売のストーリーが必要となります。
ストーリーとは、
①会場で足を止めてもらう仕組み
②商品に興味を持ってもらう仕組み
③試してもらって驚いてもらう仕組み
④商品を欲しくなる仕組み

これらの手順がストーリーとして無いと物は売れないのです。

3.店員ではなくキャストになる
現在、物は「人からのおススメ」で売れ傾向が強いです。世の中にはモノがあふれていますから、お客様にとってその商品の違いを自分自身で判断できにくいのです。そこで第三者のおススメ意見を求める傾向が強いのです。
お店の店員の「お似合いですよ」と言うようなおススメだけでは購入決断に至る納得性がありません。
そこでお店の店員がお客様側の立場を演じるキャストとして、自分自身の実体験をお話しするのです。
「もしも私がこれを着て出かけたらさぞかしワクワクするでしょう!」
そんな風に客目線に役割を演じる事を今の販売のスタッフは求められているのです。

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