お店はお客様と共に大人になる(サイゼリヤに学ぶ)

いつも読んでいただきありがとうございます。

ずっと、このコラムで面倒な話が続いたので、少しゆるい話を書きます。
 
僕はサイゼリヤが好きです。
サイゼリヤは大衆的なお店なので、得意げに「好きだ」と言うのもなんなんですが(笑)
 
好きな理由は個人的にイタリアが好きで良く旅行に行ったりしてイタリア料理が好きになったと言う事があります。
しかしそれ以上に長年サイゼリヤを定点観測しているとマーケティング的に多くのヒントをもらえるからでもあります。
 
サイゼリヤの創業は1975年と会社の歴史が長いのですが、皆さんが今のサイゼリヤとして利用し始めたのは1990年代からだと思います。
およそ30年間が実質皆さんがご存じのサイゼリヤとしての歴史なのかと思います。
 
創業当初は本格的なイタリア料理を日本に持ち込む。
それも圧倒的な低価格で。
これがミッションだったのではないでしょうか。
 
1990年当時は既にファミリーレストラン全盛期でしたが、そのタイミングに今までにない本格的なイタリアをテーマにしたファミリーレストランはすぐに大衆に受け入れられました。
その戦略は当たり、30年前の1990年代は店舗の急拡大の歴史だったはずです。
 
1990年代のターゲットはもちろんファミリー層でした。
皆さんの認識もサイゼリヤファミリーレストランに分類されていたはずです。
ですから当然、お店の席のつくりは4人から6人掛けの席のつくりになっています
 
<最近のサイゼリヤ
サイゼリヤ好きの私ですが、実はコロナのおかげでこの3年間はすっかり足が遠のいてしまいました。
先日本当に久しぶりに名古屋駅前のサイゼリヤに行く機会がありました。
そして驚いたことにサイゼリヤが大きく変貌していたのです。
客席のつくりが、ほぼ対面2名掛けのレイアウトになっていたのです。
客層は2名組のカップルとサラリーマンのお一人様だけでした。
夕方の時間帯なのにファミリー客はゼロ!
立地が名古屋中心部なことと、コロナ禍でファミリー客が減った事などの事情があるレイアウト変更なのでしょうが、この潔いレイアウト変更には驚きました。
サイゼリヤはこの戦略変更でコロナ禍をしのいだそうです。
 
<お店は客と共に大人になる>
久しぶりのサイゼリヤで食事をとりながら周りを観察すると、客層は20代のカップルと30代のサラリーマンだけでした。
コロナ禍でも根強くサイゼリヤを利用しているのはこの世代と言う事なのでしょう。
そしてこの世代はちょうど1990年代のサイゼリヤの成長期に、家族連れの子供たちとして連れてこられた世代です。
この子供たちが今、大人になって今でもサイゼリヤを利用していると言う事が分かります。
さあ、今からコロナが落ち着いて、この大人たちが家族連れで子供たちをサイゼリヤに連れてくるのか
そしてサイゼリヤが昔の4人掛け席に戻るのか?
またサイゼリヤの定点観測を続けたいと思います。
 
30年と言う時間は気が遠くなるほど長いと言えば長いですし、ビジネスをしているとあっという間だとも言えます。
私のコンサルティングの心情は、子供が大人になっても利用し続けられるライフタイムバリューのある息の長い会社創りです。
特にこれからの日本のビジネスにはこの考え方が必要条件なのでしょう。
 
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